としずむです。
この度、iPhone・Android向けアドネットワークのnendをご担当されている二宮さまに、「iPhoneアプリ広告で稼ぐには?」というテーマで、複数回に渡って寄稿を頂くことになりました!
重要な単語の意味、アドネットワーク各社の比較方法、単価をアップさせる方法などなど、iPhoneアプリの広告で稼ぐためのノウハウを紹介頂きます。ぜひお楽しみ下さい。
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こんにちは!
ファンコミュニケーションズという会社で、nendというスマートフォンアドネットワーク事業を担当している二宮と申します。
今回、AppBankさんにてスマートフォンンアプリ広告に関しての記事を執筆させていただくことになりました。「iPhoneアプリ広告で稼ぐには?」というテーマで、これから何回かにわけて、iPhoneアプリデベロッパーのみなさんに、特にアドネットワークを使ったマネタイズ手法に関して、わかりやすい記事をお届けできればと思います。
最近は、個人デベロッパーさんでも月間〜百万単位で収益をあげている方々もいます。実際にどんなことを実施しているか、どんなことがポイントなのかなども書いていきたいと思います。
第1回の今回は、アドネットワークをどのように使い分けをしていけばよいか、便利な指標とともにをご紹介していきます。
アドネットワークを比較する時に重要な指標
アドネットワークを選ぶ際に参考になる数値は、eCPMとフィルレートの二つです。
eCPM(イーシーピーエム)
Cost per milleの略で、1000インプレッションあたりの広告掲載料金を表す数値です。eCPMとは、あなたのアプリ側が1000インプレッションあたりどのくらい収益になったかという数値になります。計算式は、【(報酬額÷インプレッション)×1000】で表します。
フィルレート
あなたのアプリからの広告リクエストに対して、どれだけお金になる広告が配信されているかの割合(パーセント・%)を表しています。お金になるかどうかというのは、広告主の広告かどうかということです。アドネットワーク社の広告をだしたり、アドネットワーク登録時に在庫が切れたときに出す広告を登録させるアドネットワークもあります。
このフィルレートが100%であれば機会損失がなくなります。AppBank Networkが在庫100%保障といっているのは、フィルレートが100%とうことを意味します。
一つずつ、比較方法を解説していきます。
1.「eCPM」で比較する
eCPMは、サービス間で収益を比較するときに便利です。CPCが高いことだけでサービスを選びがちですが、それだけで選択すると罠にはまることもあります。
CPC(シーピーシー)
Cost per Clickの略。1クリックあたりの単価になります。【収益額÷クリック数】で算出可能です。クリック単価とも言います。
以下、例です。
アプリの広告インプレッションが1日1000インプレッションのアプリがあるとします。
- A社
- CPC 10円
- インプレッション1000
- CTR 1%
- B社
- CPC 15円
- インプレッション1000
- CTR 0.5%
上記2社の場合、CPCが高いのはB社です。そのためB社を選択したくなりますが、実際にCTRをみると実際にどちらが収益が高いかがわかります。
CTR(シーティーアール)
クリック率です。あなたのアプリにおいて、広告がクリックされる確率を指します。計算式は、【クリック÷インプレッション】になります。アドネットワーク管理画面では、%で表示されることが多いため、上記計算式に100をかけたものが表示されています。
eCPMを計算すると、A社は「eCPM 100円」B社は「eCPM 75円」となり、収益性が高いのはA社となります。
特にインプレッションの多いアプリは、eCPMで比較しないと損をしている可能性大です。CPCよりも重視するべきは、eCPMの数字なのです。
また、CTRも重要です。サービスをいろいろと使い分けることでCTRが上がることはあります。アドネットワークサービスによって、たとえばゲームの広告が多いサービス、ECの多いサービス、アプリ関連の広告しかでないサービスなど様々な特徴があります。皆さんのアプリの特徴とマッチしているものがあれば、おのずとCTRは高くなるかもしれません。
ポイントとしては、全体的にCTRの高いアドネットワークというのは、広告在庫が豊富でいろいろな種類の広告が配信されていることが多いです。そういうアドネットワークをベースにするといいかもしれませんね。逆に、広告在庫が少ないアドネットワークは、CTRが低いことが多いようです。
なお、数値を比較する場合、前提としてアドネットワーク各社の定義するインプレッションや広告の切り替える秒数(リフレッシュレート)などを全部同一条件にすることが必要になります。
2.「フィルレート」を把握する
次に「フィルレート」です。
アドネットワークによっては、時期的な要因などにより、アドネットワークに広告が流れなくなることがあります。その際、お金にならないバナーが配信されたり、アプリディベロッパーの自社広告を配信して、穴埋めしたりということがよくあります(AppBank Networkやnendのように、在庫100%保障で展開しているアドネットワークも存在します)。
このフィルレートを把握していないと、機会損失が起こることになります。
以下、例です。
アプリの広告インプレッションが1日1000のアプリがあるとします。
- アドネットワークC社
- フィルレート30%
- CPC 20円
- インプレッション1000
- CTR 1%
- アドネットワークD社
- フィルレート100%
- CPC 10円
- インプレッション1000
- CTR 1%
C社とD社を比較します。フィルレートなどを見ないとすると、C社とD社は、CTRが同じなので、CPCを見てC社のほうがよさそうな気がします。ただフィルレートをみると、C社は30%なので、このアプリの例でいくと、お金になる広告が流れるのは、300impとなってしまいます。
よって、1日の収益額で比較するとC社は、【60円】となり、D社を計算すると【100円】のため、D社のほうが1日の収益額は高くなります。
このフィルレートを把握し対策することで、収益が2倍になったというディベロッパーさんも数多くいらっしゃいます。
どういう方法で2倍になったかというと、CPCは高いがフィルレートが低いアドネットワークをまず配信し、広告が出なくなった時は在庫の安定したアドネットワークに切り替えるという方法です。
アドネットワーク各社の管理画面にこのフィルレートが公開されている場合は、必ずチェックしましょう。公開されていない場合は、アドネットワーク会社の営業さんに聞いてみるといいと思います。
では、どうやって広告を切り替えるかというと自分でプログラムを組むディベロッパーさんや広告切り替えツールを利用するディベロッパーさんがほとんどです。nendのディベロッパーさんをみるとadmobメディエーション(adwhirl)を利用している方が多いようです。
自分で組み込む場合、検索で調べると結構そういう情報をディベロッパーさんがブログで公開してたりします。それらを参考にするのも良いと思います。
admobメディエーション(adwhirl)
アプリに設定している広告枠に対して、いくつかのアドネットワークを切り替えて利用できるサービスです。たとえば、A社をメインで利用して、そのA社の在庫がきれたら、B社を配信するといったような使い方が可能になるようです。(各アドネットワーク社のSDKの仕様によっては自動的に切り替えが出来ない場合もあるようですのでよく確認してください。)
ということで、以下の2つのポイントをもってアプリ広告の収益化アップに役立ててください。
- 「eCPM」で比較する
- 「フィルレート」を把握する
繰り返しになりますが、アドネットワーク各社によって数値の定義や取り方が違うことがあります。まずはそこをヒアリングして、理解して収益アップを目指してください。前提として正しい数値を把握することが必要であることを最後に付け加えておきます。
次回は、今までのnendの実績から分析した結果をもとに、ディベロッパーさんが収益アップできるいくつかの方法をnendのスタッフが紹介します。