こんにちは、テレビを見ながら楽しめるアプリ「テレViewing」の企画を担当しているTです。
みなさん、テレビを見ながら何していますか?思い浮かべてください。そう…スマートフォンをいじっている人が多いのではないでしょうか!?
今年に入ってTVメーカー、放送局、ネットサービス事業者など、さまざまな企業から「テレビ番組と連携して楽しむアプリ」がリリースされています。ソーシャルオリンピックなどが盛り上がりを見せた中、各アプリの「中の人」たちはどういう思いでそれぞれのアプリを作ったのか、緊急集合して語っていただきました。
とっても内容の濃い座談会となりましたが、今回はそのごくごくエッセンスの一部をお届けします。
ユーザーとの長期にわたる接点作りを期待している
司会:今日はお集まりいただきありがとうございます。早速皆様にうかがいたいのですが、それぞれどういう思い、方向性でアプリを作られたのでしょうか。
tuneTV担当 中山様:「tuneTV」は、去年の8月にリリースしました。ユーザーと接触する時間の長いアプリのほうがビジネスモデルが広がると思い、国民の可処分時間で最も長い「テレビ視聴の時間」を利用したアプリにしようと思いました。リリースしたころはこの分野の先駆けで、ヤフトピをはじめ、多くのメディアに取り上げていただきました。
司会:tuneTVさんはリリースして一年なんですね。
中山:ちょうどこの一年で「バルス」や紅白、ロンドン五輪での盛り上がりを見て、テレビってこういう風に盛り上がるのか、というのがわかってきた感じです。
wiz tv担当 原様:スマホ普及に伴って、テレビ局もスマホで視聴者と接点を持っていきたいと思い、これまでいろんな番組のアプリを作ってきました。「wiz tv」を作ったのは、単発で完結してしまうものではなく、長期的視点でユーザーと接点を持つ必要があると感じたためで、そのためにテレビ番組をきっかけとしたソーシャルの場として全テレビ局横断型の「wiz tv」を作りました。また、テレビ番組のおもしろさのパワーを、ドラゴンボールのスカウターみたいに絶対値で表せたらおもしろいなとも考えました。
ソーシャルTVガイド担当 水野様:私たちは、「週刊TVガイド」という番組情報誌をネットに載せる形で、1996年に日本で初めてのインターネット番組表を作りました。スマホでこのアプリを提供しているのは、リアルタイムでテレビを楽しんでいる前のめりな視聴者の意見をくみ取っていきたいからです。その意見は、「テレビ番組を多くの方にガイドする」という私たちの事業に生かせるものだと思っています。
テレViewing担当 工藤:もとよりテレビ番組は様々なトレンド、情報を生み出すネタの宝庫ですが、一方でネットにはそれらを含んだ様々な情報が集積されていると思います。これらをうまく繋げることで、ネットの情報を起点にテレビ視聴へ、テレビ視聴で気付いた情報の深堀をネットでという利用のサイクルをこのアプリを通じてつくりたいと考えています。更に、スマホからテレビの操作機能を取り入れることでデバイス同士の連携も実現しました。今後もテレビと一緒に使ってもらうサービスとして相性のよい、楽しめる機能を追加していきます。
ソーシャルの盛り上がりと同時にテレビ視聴率にも大きな変化があった
司会:ある調査では、スマートフォンユーザーの7割がテレビを見ながらスマートフォンを触るようになったという報告がありました。このライフスタイルの変化について、どうお考えですか?
原:歴史的に見れば、昔は街頭テレビがありました。それが一家に一台になり、やがてワンセグやテレパソなどパーソナルなものになってきて、テレビがみんなで楽しむものでなくなってきているという危機感が湧いてきました。そこにソーシャルメディアが出てきた。ソーシャルテレビ視聴は、原点回帰です。人が集まるとき、共通のネタはほしいですよね。会話が弾むような共感できるネタを発信できるといい。
水野:ソーシャルの盛り上がりと視聴率は関連がでてきていますか?
原:最近の例でいえば「サマーウォーズ」という映画を放送したときです。番組後半にキャラクターが「よろしくお願いしまああああす」としゃべるシーンがあって、そのタイミングでみんなで一緒に「よろしくお願いしまああああす」とつぶやこうとソーシャル上で盛り上がりました。2年前の放送時はソーシャルにも視聴率にも特に変化はなかったのですが、今回はいずれも大きな変化がありました。
司会:テレビを見ながらソーシャルを楽しむことでテレビの視聴時間も延びているというデータもあります。視聴者がふと飽きてしまいそうな瞬間でも、もう一度テレビに興味を引き付けさせるきっかけになっているかもしれないですね。
原:私たちにとって嬉しいのは、CMの時に視聴率が落ちないことです。映画の本編は集中して見ていて、CMのときにツイートしているということかもしれません。CMの時にスマホに目がいくというのは困りますが、CM中でも視聴率を維持できるという効果はたしかに出ています。
中山:面白いCMや、来週の予告編CMなどはタイムライン上でも話題になっていますよね。CMもタイムラインでの話題づくりを狙いながら作っていくのもありになるかもしれませんね。
投稿している人はアプリのアクティブユーザーの5%程度
Yahoo!テレビ担当 内堀:私はTVを見ながらツイートする方ではなかったので、最初、この手のアプリをどう楽しめばいいかわからなかったんですけど、バラエティ番組のイニシャルトークを見ている時に「誰かネタばれしてくれ」という投げかけをすると、教えてくれる人がいたっていうのがあって、そういう時にとても使い手があると感じました。
中山:ツイートを見て疑問が解消することってありますね。実はそうだったのか!とか。
内堀:そうですよね。あとラピュタの「バルス」も参加しましたよ。
工藤:一人で見ていても情報が足りないものを、スマホで補う、解決できるってことがありますよね。
中山:タイムライン上では、ブロードキャスティング的な“実況”をする人が目立ちますが、その背後にはそれらを見て楽しんでいる“目に見えない”ユーザーが他数存在します。「tuneTV」の場合、積極的に投稿を書き込む人よりも、見る人をコアターゲットに設定して作ってきました。
工藤:「tuneTV」からの投稿ってどれくらいありますか。
中山:アクティブユーザー全体の5%くらいですね。残り95%はライトに見て楽しんでいるようです。
内堀:その95%の人は、ソーシャルでの祭りや実況に参加はしていないけれども、視聴率を生み出しているんですよね。
工藤:まだ投稿まで参加されていない方には、投稿以外のバリエーションでも遊んでもらえるようにしていきたいですね。
「セカンドスクリーンアプリ」の未来はどうなる?
司会:それでは最後に、スマホをテレビの「セカンドスクリーン」として連携させるアプリは、今後どうなるとお考えになるか、教えてください。
水野:我々のような番組情報を提供するメディアは放送前のタイミングでの情報提供が主でしたが、今後は、放送後にどう盛り上がっているかの情報も大切になってくると思います。放送前から放送中、放送後までを一気通貫で人がどういう情報を欲するかをきちんと追っていくことが今後のテーマになるでしょう。
内堀:ソーシャルで距離のギャップは埋められていますよね。今度はバラバラな時間軸も繋げられると楽しいですね。
原:私は、言葉として「セカンドスクリーン」はあまり好きではなく、「ダブルスクリーン」と言っています。テレビとネットのどちらかがメインではなく、2つを同時に楽しめる「お祭り」、コンテンツを作っていくことが大事だと思いますし、それがテレビ局の目指すべきところの一つです。
工藤:我々はそういうことをテレビ局さんと一緒に仕掛けたいというのももちろんありますが、まったくちがうところからお客さんを集めていくことも必要だと考えています。テレビを見ていなかった人に、ネットできっかけを与えてテレビ視聴に向けるといったことができれば、ネットとテレビはもっと融合していくと思っています。
中山:これからhuluのようなVODも伸びるでしょうが、リアルタイム視聴の楽しさはVODや録画とは別物として際立ってくると思います。「tuneTV」としては、そこをもっと楽しくする余地があると考えています。例えば、コミュニケーションの要素を強化できるかもしれませんし、参加するハードルを下げるような機能改善だってできるかもしれません。まさに今、GREEさんと一緒に開発中ですのでご期待ください。
ということで、今回はごく一部しかお送りできませんでしたが、「テレビ番組と一緒に楽しむアプリ」がアツくなってきていることはお伝えできたのではないかと思います。
今回集まっていただいた4アプリのほかにも多くのアプリがリリースされていますので、ぜひ使い比べてテレビライフを充実させてください。
座談会参加者(会社名 五十音順)
株式会社ジェネシックス 戦略本部プロデューサー
中山 理香様
株式会社東京ニュース通信社
デジタルコンテンツ事業局 局次長 水野 邦彦様
日本テレビ放送網株式会社
編成局メディアデザインセンターメディアクリエイション部 原 浩生様
ヤフー株式会社
メディアサービスカンパニー 企画本部 企画1部 工藤 寛敬
テレビ番組と連携して楽しむアプリ
「tuneTV」
この秋GREEとの業務提携でさらにバージョンアップします。
アプリの詳細はこちらから→tuneTV: テレビを見るのが楽しくなるTwitterアプリ。無料
「TVガイド」
アプリのダウンロードはこちらから→TVガイド
「wiz tv」
wiz tvは、いま一番盛り上がっているテレビ番組が分かるアプリです。
リアルタイムだけでなく、過去の番組にもさかのぼって、タイムラインや番組情報をチェックすることができます。
番組のランキング表示や、アプリからTwitterやFacebookに投稿することもできます。
アプリの詳細はこちらから→ wiz tv: 「今いちばん人気のテレビ番組はこれ!」が一目でわかるアプリ。無料。
「テレViewing」
アプリのダウンロードはこちらから→テレViewing
連載: ヤフー株式会社の iPhone 事情。
みなさんもお世話になっている Yahoo! JAPAN 、日本で最も大きなサイトですね。
以前、中の偉い人たちにお会いする機会があり、「何かやりましょう。記事書いて下さい!」と無理矢理お願いして連載してもらうことになりました。
Yahoo! JAPAN で使える iPhone サービス、なるべく目線低めでご紹介して下さい!やや自慢げに!
Yahoo! JAPAN で働いているみなさんって iPhone をどう使っているのか教えて下さい!
その他、Yahoo! JAPAN ならではで、「やってみたい」と思わせるおもしろいことを!
この3つのテーマにそって Yahoo! JAPAN で働いている人がガチで書いてくれます。
スタッフのブログはこちらから。
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これまでの連載の一覧はこちらから見ることができます。
Yahoo! JAPAN の iPhone 事情 – AppBank