iPhone 5 は「ユニボディ」になるのでは、というニュースが今年に入っていくつも報じられています。
→Photos: Black and white next-gen metal iPhone backs, mini-dock, taller screen, moved earphone jack present | 9to5Mac | Apple Intelligence
→Designer profiles unibody iPhone 5 case design, antenna changes(Apple Insider)
とはいえ「ユニボディ」と言われても iPhone ユーザーにはあまり馴染みがありません。身近な例で言えば iPad の背面がユニボディですが、流出した iPhone 5 のボディと思われるものとはあまり似ていません。なぜでしょうか。
そこで今回は、iPhone 5 を語る上では欠かせない「ユニボディ」を分かりやすく解説し、「なぜ iPhone 5 がユニボディになるのか」をご紹介いたします。
ユニボディって何?
ユニボディ(Unibody)とは、1つのアルミ板から作られたボディのことです。Apple では iPad の他に MacBook Pro/MacBook Air/Mac mini で採用されています。
1枚のアルミ板からつくる利点は、ボディを「薄く」「軽く」「強く」できることです。
パーツを溶接でつなぎ合わせたり、ネジで留めたりする「のりしろ」が必要ないので、その分だけ「薄く」「軽く」なります。つなぎ目やネジで固定する部分がないので力が1点に集中しにくく、分散するので「強く」なります。
iPhone ユニボディ化の良いところ・悪いところ
iPhone のユニボディ化には良いところもあれば、悪いところもあります。
良いところは iPhone が「薄く」「軽く」「強く」なることです。また、パーツの数が減る・構造が単純になることで製造にかかるコストが減り、原価が安くなります。
悪いところは iPhone の電波感度が落ちやすくなることです。iPad や MacBook のように背面すべてをユニボディにすると、iPhone に内蔵されているアンテナが電波を送受信しにくくなります。
そこで、この悪いところを改善するためか、流出した iPhone 5 のボディと思われるものには工夫が見られます。
iPhone 5の背面が2色なワケ
以下の写真から、iPhone の背面の色・素材が上下と中央で2つに分かれているのがお分かり頂けるかと思います。
このことから中央の部分は「コの字」型のアルミ製ユニボディで、上下の部分は iPhone 4/4S と同じ強化ガラス、あるいは iPhone 3G/3GS と同じプラスチックなのではないかと分析されています。
→The unibody iPhone | The Tech Block
なぜかというとガラスやプラスチックは電波を通しやすいからです。
実例では iPad の Wi-Fi + Cellular モデル(Wi-Fi + 3G モデル)の背面です。一部が黒いプラスチックになっており、ここから 3G 回線の電波を送受信します。
しかし、iPad のようにしてはデザインが iPhone らしくない、という事情があったかは定かではありませんが、電波感度との関係からユニボディを挟むように、ガラスかプラスチック製パーツが配置されることになると考えられます。
ユニボディ化の可能性は大!
ここまでご紹介してきたように、iPhone がユニボディ化することの利点は多々あります。また、そこで発生する問題にもどうやら解決策が見つかっているようです。そのことから iPhone 5 はユニボディである可能性がかなり高いと見て良いでしょう。
いずれにせよ、結論が出るのは今年の9月と思われます。Apple の発表を心待ちにしましょう。
参考(順不同)
- Designer profiles unibody iPhone 5 case design, antenna changes(Apple Insider)
- Why The Next iPhone Has A Two-Toned Metal Backplate | Cult of Mac
【関連記事】