本日午前2時から開催された WWDC2012 。そこで MacBook Pro の新製品が発表されました。その名も MacBook Pro Retinaディスプレイモデル。iPhone 4/4S や第3世代 iPad と同じような、高精細ディスプレイがついに Mac にも搭載されたのです。
そこで気になるのは、MacBook Pro の Retina ディスプレイとはどんなものなのか・その他のスペックは MacBook Pro の他のモデルとどう違うのか、です。
今回は上記2つの点を踏まえ、新しくなった MacBook Pro をチェックします。
ラインナップと価格
MacBook Pro には3つのモデルがあります。13インチモデルと15インチモデルと Retinaディスプレイモデルです。13インチと15インチは液晶画面の大きさを表します。Retinaディスプレイモデルの液晶画面の大きさは15インチのみです。
また、CPU の速度でそれぞれのモデルに2つのバリエーションがあります。
各モデル・バリエーションの価格は以下の表の通りです(参考:Apple Onlien Store )。構成をカスタマイズすると価格は変化します。
13インチ・2.5Ghz | 13インチ・2.9Ghz | 15インチ・2.3Ghz | 15インチ・2.6Ghz | Retina・2.3Ghz | Retina・2.6Ghz |
102,800円 | 128,800円 | 154,800円 | 184,800円 | 184,800円 | 238,800円 |
Retina ディスプレイ
Retinaディスプレイモデルのディスプレイ解像度は2880×1800ピクセル、15インチモデルの解像度は1440×900ピクセルです。液晶画面のサイズは同じなのにピクセル数が4倍になるということは、その分だけ細かな部分までなめらかに表示できるということです。
iPhone 4/4S をお持ちの方は液晶画面を見てみてください。それから PC のディスプレイを見てみてください。PC のディスプレイの方が表示が荒いように見えるはずです。
これが Retinaディスプレイモデルの MacBook Pro では、iPhone 4/4S や第3世代 iPad と同じように、なめらかに文字・写真を表示します。それも15インチという iPad よりも大きい液晶画面で、です。
これが MacBook Pro Retinaディスプレイモデルのすごさです。
外観・重量・厚み
13インチ・15インチモデルの外観は以前のモデルとほぼ同じです。一方で Retinaディスプレイモデルは厚みを薄くするためか、まったく新しいデザインになっています。
Retina ディスプレイモデルの重量は 2.02 kg 。一方で15インチモデルの重量は 2.56kg です。約500グラムの違いですが、実際に持ち歩くとなればその差は大きいでしょう。13インチモデルは Retina ディスプレイモデルよりわずかに重い 2.06kg です。
厚みは13インチ・15インチモデルが 2.41cm であるのに対し、Retinaディスプレイモデルは 1.8 cm です。なんと MacBook Air と 0.1cm しか違いがありません。
内蔵ストレージ
MacBook Pro Retinaディスプレイモデルは、どのバリエーションでも SSD と呼ばれるフラッシュドライブを搭載しています。一方で MacBook Pro の他のモデルは従来と同じようにハードディスクドライブを搭載しています。
フラッシュドライブはハードディスクドライブに比べて、データの読み書きが非常に高速です。効果が現れるのは Mac を起動する時・アプリを起動する時・サイズの大きいファイルを開く時など。フラッシュドライブではこれらの作業が速くなります。
なお、Retinaディスプレイモデル以外のモデルでも、Apple Online Store で構成をカスタマイズすることでハードディスクをフラッシュドライブに変更できます。
メモリ
様々な作業を同時に、あるいはサイズの大きなファイルを作成・編集する際にはメモリが多いに越したことはありません。作業がスムーズになります。
Retinaディスプレイモデルは標準で 8GB のメモリが搭載されており、構成を変更することで 16GB に増量できます。ただし、後からユーザーがメモリを交換・増量できません。MacBook Air と同じです。
一方で13インチ・15インチモデルは標準で 4GB から 8GB のメモリを搭載しており、最大で 8GB まで増量できます。ただ、ユーザーによってメモリが交換できる場合、もっと容量を増やせるかもしれません。現時点ではメモリが交換可能かは不明です。
購入を検討される際にはこの違いには注意が必要です。
DVD ドライブ
Retinaディスプレイモデルには DVD ドライブがありませんが、13インチ・15インチモデルには DVD ドライブが搭載されています。
DVD をよく使う方は、13インチ・15インチモデルを選んだ方が無難でしょう。
GPU
GPU はグラフィックの処理能力に大きく関係するパーツです。13インチモデルはすべて Intel HD Graphics 4000 という GPU のみですが、15インチモデル・Retinaディスプレイモデルではさらに GeForce GT650M が搭載され、この2つの GPU を自動で切り替えるシステムになっています。
また、バリエーションによって VRAM 、GPU が使うメモリの容量も異なります。15インチ・2.3Ghzモデルの場合は 512MB 、15インチ・2.6Ghzモデルは 1GB になります。Retinaディスプレイモデルはいずれも 1GB のメモリを搭載します。
よって、ノート PC でも高いグラフィックの処理能力が欲しい場合には Retinaディスプレイモデルか、15インチ・2.6Ghzモデルを選ぶことになります。
その他の違い
スピーカー・マイク
13インチ・15インチモデルにはステレオスピーカーの他に、低音を奏でるサブウーファーが搭載されています。これは Retinaディスプレイモデルには未搭載です。ちなみに、このサブウーファーは以前のモデルの MacBook Pro から搭載されています。
マイクは13インチ・15インチモデルが無指向性マイクを、Retinaディスプレイモデルではデュアルマイクを搭載しています。
電源アダプタ
13インチ・15インチモデルは、以前のモデルから採用されている MagSafe電源アダプタを使いますが、Retinaディスプレイモデルは MagSafe 2電源アダプタを使います。
MagSafe 2電源アダプタは従来の電源アダプタに比べて、サイズが薄くなっています。これが Retinaディスプレイモデルが薄くなったことに貢献していると思われます。
それぞれで専用の電源アダプタを使用する必要があります。
以前のモデルとの違い
以前のモデルの MacBook Pro と13インチ・15インチモデルの違いをおおまかに列記すると以下の通りですが、あまり大きな変化はありません。
- CPU/GPU/メモリが高速になった
- USB 3.0 ポートが追加された
- Bluetooth 4.0 が搭載された
買うとすれば…
現時点で処理能力に不満がない場合は Retinaディスプレイモデルが検討の対象になるでしょう。小生も買うとすれば Retinaディスプレイモデルを検討します。
一方で、今使っている Mac/PC の能力に不満がある場合は、13インチ・15インチ・Retinaディスプレイとすべてのモデルが検討の対象になると思われます。
より詳しく特徴・スペックを知りたい方は、Apple のウェブページをご覧ください。