トップセールス(アプリの売上ランキング)において、ライトノベル(以下、ラノベ)が存在感を増してきています。
ここ半年の間で、電子書店アプリでトップセールスベスト50に頻繁にランクインしているアプリは3つあります。
・BOOK☆WALKER
・紀伊國屋書店Kinoppy
・MF ラノベ☆コミック
共通しているのがラノベです。
「ヤバい!理由はわからないけどラノベが来てる!」
というわけで、この黒船について調べてみましたところ、以下の2冊がとても勉強になりました。それぞれの書籍の内容にふれつつ、iPhone 界のラノベについて考えてみます。
10代はラノベを読みまくってる
「ベストセラー・ライトノベルのしくみ」によれば、ラノベ市場とは「今の10代の4人に1人が、平均月に1冊以上買っている」という市場だそうです。
4人に1人!そんなに!
参考になる数値はこのあたり(詳しくは書籍をご覧下さい)。
- 2010年の市場規模は316億円
- 1冊600円とすると、約5000万冊の売上
- 最もラノベを購買している層は10代
- 10代は約1200万人
私も時々ラノベを読みますが、てっきり「萌え」で「オタク」で「二次元」なものだと思ってました。読んでるのを見られるのは、ちょっと恥ずかしいみたいな。
でも、10代の間では、そうではないようなのです。10代にとっては、ラノベを読むことは、今の20代や30代がマンガを読むような、そんな当たり前のことになっているようです。
ラノベ業界の方に話を聞いてみると「10代が主に読んでいる」「学校内で貸し借りは当たり前」「図書室に置いてあってみんな読んでる」ということが起きているようです。
そしてこの市場は伸び続けています。
伸び続けているラノベ市場
出版業界が縮小している中、ラノベ市場は伸び続けています。
- 2010年の出版市場は売上規模1兆8748億円。この10年で書籍の販売額は15%、雑誌は26%減少した
- ライトノベルは(中略)2004年には256億円規模だった市場を、2009年には301億円まで拡大した
- マンガ市場は2010年にはコミックスが2315億円、コミック誌が1776億円(中略)だが、2003年にはコミックス2549億円、コミック誌2611億円だった
*データの詳細は書籍にて直接ご確認下さい
引用元:ベストセラー・ライトノベルのしくみ キャラクター小説の競争戦略
伸び続けているラノベですが、さらに、スマホの電子書籍という形式に、非常にマッチしています。
あまりにも iPhone で読みやすいラノベ
書籍「ライトノベル表現論」によれば、ラノベは話し言葉に近い「会話体文章」と呼べるものになっています。その会話体文書の由来の一つとして「携帯メール」が挙げられていました。携帯メールが由来なのであれば、iPhone でラノベが読みやすいのも納得です。
さらに、他にも「ラノベは iPhone にマッチしているなあ」と思わされる特徴があります。
1章を数分で読める
1章の長さがiPhone的です。ラノベは1冊30分~1時間で読める分量ですが、全部で約10章あります。1章読むのに3~5分。
電車、寝る前、お風呂、食事の待ち時間…。そんな時に読むのにぴったりですね。
1画面の文書量が適切
1画面内の文書量が、とても読みやすくなっています。一般書に比べて、会話文が多く、空白も非常に多いです。そのため、気持ちよく流し読みができます。
左が一般書、右がラノベです。
マンガと比べても、ラノベは読みやすいと感じています。マンガはiPadでないと、文字・台詞が読みにくいことがあると感じることがあります。
このように、ラノベは非常に iPhone で読みやすいというのが、私の印象です。
総括:ラノベは黒船や!
- メインユーザーは10代
- 紙の市場は伸び続けている
- iPhoneで読みやすい
これらを踏まえると、「iPhone(スマホ)でラノベを読む」読者は、着実に増えていきそうです。10代がもっと iPhone 持つようになると、それに伴って売れ行きがあがっていきそうです。
また、iPhone らしい特典がついたアプリも人気があります。こういう二次的な展開も楽しみですね。
「ボイス特典」や「壁紙」がついているラノベアプリ
→ [iPhone, iPad] 僕は友達が少ない App: 大人気アニメのラノベとコミックを立ち読みしよう!無料。
ラノベのキャラクターとコミュニケーションを取るだけのアプリ
→ 俺の妹がこんなに可愛いわけがない iP: Ver 1.7.0 あやせ登場!ど、どこを触ってるんですか!無料。
AppStore でラノベを買えるアプリ
最後に、 iPhone でラノベを読むのにオススメのアプリを紹介します。
BOOK☆WALKER
ラノベの8割は角川グループが出版しています。そしてその角川グループの電子書店アプリが「BOOK☆WALKER」。
電子書籍化を行っていない一部のレーベルをのぞき、角川グループが取り扱っているライトノベルの大多数を入手できるのが特徴。
「あのラノベって電子書籍化されてるのかな…」と思ったら、まずはこのアプリから確かめてみてください。
→ [iPad, iPhone] BOOK☆WALKER: 角川グループの人気新書・ライトノベル・マンガなどが購入できる!!無料。
MF ラノベ☆コミック
MF文庫Jのラノベを取り扱っているのがこのアプリ。特徴は「新刊が紙の書籍とほぼ同時」「壁紙プレゼントなど電子版だからこそのオマケあり」「挿し絵がキレイ」の3つ。
このアプリで並んでいる書籍は、遅れてBOOK☆WALKERにも並ぶようですが、こちらで買うのが断然オススメ。挿し絵のクオリティと、書籍の読みやすさが全然違います。
→ [PR] [iPhone, iPad] MF ラノベ・コミック: イチオシの3作品をレビュー!壁紙も毎週配信中! – AppBank
紀伊國屋書店Kinoppy
角川グループではないレーベルのラノベをよむならこちら。ガガガ文庫やスーパーダッシュ文庫などの書籍を取り扱っています。角川グループの書籍も、本家BOOK☆WALKERなどには遅れますが、入手可能です。
→ [iPhone, iPad] 紀伊國屋書店Kinoppy: 品揃え豊富、読みやすさもバッチリ。最強の電子書店。無料。