AppStoreを見て思うこと。
2月22日に行われたAppleStore銀座店AppBank講演資料その1 #igdaj、の続きです。
コンテンツの供給過多とよく言われますが、コンテンツを出す側だけじゃなくて、ユーザー側も変わっています。
2ヶ月前から欲しいゲームソフトをチェックして、お金貯めて買う、という時代はもう終わりました。
AppBankを見ていてわかるのは、なんとなくAppBankを見て、なんとなく買って、なんとなく遊んで、なんとなく捨てる、その繰り返しで凄まじいスピードでコンテンツを消化しているユーザーが非常に多いことです。
無料だし安いし。毎日セールってなんだかすごく楽しいし。と。
とある開発者はAppStoreとはなんぞや?という問にこう答えました。
早い!安い!うまい!・・・ですめばマシ。速すぎて、うますぎて、安すぎるんです。
また、この現象に対して現代のアタリショックが起こる!と言っている人もいますが、そうは思いません。
一番の理由はユーザーの目が異様なまでに肥えているからです。
もちろんアプリを買った際のがっかり感とかが、新商品のお菓子とかジュース1本買ってがっかりする感と同じレベルにまで落ちているってのもあります。
ジュース1本のがっかり感とアタリショックを同列で語ることは、iPhone市場にプレイヤーとして参加するとしたら、多くのことを見誤ってしまうと思います。危険です。
ユーザーの情報収集スタイルも変わっています。
ディレクトリ型のポータルじゃなく、AppBankのように情報更新の早いメディアで、みんなが毎日、今日紹介されているiPhoneアプリを見て買って、明日は明日の風が吹くって言うのが今。
いいアプリはきっかけさえあれば売れる。
ただ、それを狙うのは非常に難しい。
なので、そんな時代でも売れるための法則のようなものを考えてみました。
1点目。
名前です。非常に重要です。
from トブ iPhone: 『131人のiPhoneホーム画面』公開編
2点目。
アイコンです。
iPhoneホーム画面への愛は異常。
アイコン、売上に2割ぐらい影響を与えていると思われます。
3点目。
1以上のことは伝わらないということです。
1+1が0.5になるのが特に最初の3分間です。
大半のアプリは判断まで触って3分。3分で価値を認められればそれ以上の機能も見てもらえるようになります。
特化すること。機能が豊富なアプリなら、上級者以外は触らなくてもいいように隠すこと。
上級者向け機能は、なんだかんだ評価される人に評価されます。
以上3点が、売れているアプリとは?です。
名前とアイコンと最初の3分を乗り越えさせるわかりやすさが重要です。
マーケティング手法皆無。
どうしたらいいのか。
なお、iPhoneにおけるマーケティングとは、いかにランキングに入るのかが、すべてで、そのための手段をどう打つか、のみを考えればOKです。
確実に言えるのは、ユーザーの目は肥えている、ということ。いいものは売れる、ということ。
仕掛けるタイミングの話をします。
まずは新規リリースの話から。
メディアに取り上げてもらえる最初の機会。
一番重要なタイミング。ここを逃すとキツイ。
iTunesの説明欄だけでは明らかに伝わるものも伝わらないし、誤解されて1つ星みたいな悲しい別れも少なくない。
ディベロッパーさんに言えるのは「適切に情報公開した方がいい」ということです。
NDAを気にしすぎてなんにもしない、って言うのは機会損失以外のなにものでもないと思います。
せめで事前にAppBankにこっそり教えてください。本当にいいアプリなら発売と同時に紹介することはよくあります。そういう開発者の人は多いです。
次に値下げセールについて。
セール情報を出しているメディア、アプリ、など、結構な数があり、その影響力は馬鹿にできません。
新規リリースで成功がつかめなくてもセールをうまく実施することで逆転の可能性があります。
第1は発売記念セール。発売を記念して、というあれです。セールという単語をうまく使っていますね。
第2はゲームロ◯トのセール。E◯に敵対心をむき出しなあれです。レースゲームがでれば、自社のレースゲームを115円に。すごいです。それで一度ランキングがあがって値段戻しても上位にある程度居続けるのは、ゲームロフトの凄さです。
230円が破る115円の厚い壁と行ったスタジオルーペのリオさんの言葉も面白いエピソードです。115円だとセールすると無料になってしまいます。上位にあがっても有料にした瞬間にランキングから消えます。230円だと115円でセールしてうまく上にあがれれば、再び230円にしてもランキングにいれたりするわけです。
セールは奥が深いです。
最後がアップデート。
ディフェンス的なマーケティングであって、攻めのマーケティングではないけど、アップデートを楽しみにしているユーザーも多いし、事実AppBankでも普段はめったに取り上げませんが、全然別物のようなアプリにアップデートされたときとか、紹介することがあります。
※これ話すの忘れた↓↓↓
ちなみに、アップデートとセールを組み合わせてクレイジーなマーケティングを行っているアプリはTwitBirdですね。彼ら自身はそう考えてやってないでしょうが、アップデートのたびに機能が重くなったり、壊れたり、で、無料にしてダウンロード数激増。しばらくしてアップデートで機能が充実した版をリリース。みたいなことを繰り返していますよね。狂ってると思いますが、それで多くのユーザーをつかんだこともまた事実。真似できない事例ですが、根性を感じます。
世界中のディベロッパーは同じステージにたっていて、日本のAppStoreだからと言って、ユーザーも日本のディベロッパーを贔屓していない。ただ、日本人は日本語が大好きなので、そこに幾許かのチャンスはある。
世界は飢えている。ゲームロ◯トのクレイジーさ。韓国のハングリー精神。私たちは世界中のディベロッパーを同列に見ていて、日本だからと言って贔屓するつもりがありません。大半の日本のディベロッパーにはマーケティングも、競合調査も、作り込みも足りてません。ハングリー精神がない。
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まとめです。
最後の締めは、ゲームロフト代表取締役の名言。
続きます。